本文へ移動

院長挨拶

院長 海法恒男
由利本荘医師会病院は、東北・北海道地区では初の医師会運営病院として1967年に旧本荘市堤脇の千刈(せんがり)地区に開設されました。特に温泉を利用したリハビリテーションが注目を集め、地域の方々から「温泉病院」と呼ばれ親しまれてまいりましたが、次第に施設の老朽化が顕著となり、2001年10月、市内水林地区の由利本荘市福祉エリアに新築移転しました。西に日本海を臨む閑静な福祉エリア内には、県立支援学校や福祉施設とともに医師会立由利本荘看護学校があり、当院はその臨地実習病院となっております。病院1階にある病院事務局には、医師会事務局も同居しており医師会活動の拠点として、またCT/MRI/臨床検査などの医師会員共同利用施設としても機能しています。1階には他に外来4診察室、1処置室、放射線室、内視鏡検査室、生理検査室、健診センター、訪問看護ステーション、居宅介護支援センター、臨床検査室、リハビリ訓練室、薬局、栄養科などが十分な広さで確保されており、売店、理容店も備わっています。病床は全100床で、1階(1病棟)は重度障害児者を扱う障害者施設等の一般病棟:50床、2階(2病棟)は入院窓口となる地域一般病床:15床、地域包括病床: 35床となっております。病室の一人当たりの面積は8㎡、廊下幅も3mと広く、ほかに談話室、デイルーム、個々の患者さんの機能に対応可能な入浴設備を各階に備えています。
3階はこれまで医療型療養病床50床でしたが、2023年4月1日より介護医療院50床に変更しました。2018年に始まった介護医療院は当医療圏では初めてで、病院に併設されていることから、病院の医療やリハビリの資源を有意義に利用できる施設として期待され、機能しています。
従来、当院の役割として、急性期病院と在宅との間をとりもつ医療、すなわち急性期治療が終わっても更に入院を要する方や、在宅での医療が困難になった方などへの治療など、慢性期の方々への医療の提供を行ってきました。また、医師会員をかかりつけ医とする在宅患者さんが急に入院を要する場合の施設(オープンベッド)としても利用され、病院常勤医とかかりつけ医が協力しながら診療にあたる事も行われてきました。
一方で秋田県は高齢化率、人口減少率とも全国平均の20年先をいっており、求められる医療も変化し、その対応が必要とされています。県によるこれからの地域医療構想では、これまでの8つの二次医療圏を2024年から3つに集約し、当院が立地する「由利本荘・にかほ地区」は、秋田市周辺と合わさって「中央地区」となりました。各医療圏それぞれで急性期から在宅に至る、地域完結の切れ目のない医療と病院の役割分担が求められております。従って、慢性期を担う当院としては、医療のみならず、在宅復帰や施設入所に向け、機能回復を目指すリハビリを充実させ、提供していくことが更に重要な責務となってきました。このため、リハビリ専門医とスタッフを増員し、現時点でリハビリ療法士はマッサージ師2名を含めて19人の陣容となりました。それにより、ベッドサイド訓練、外来リハビリ、訪問リハビリなどの拡充を図っております。定期的なリハビリ検討会とは別に、退院を目指す患者さん全員において、ケア・マネージャー、社会福祉士、患者さんや家族を加えたケース会議を行い、在宅につながる環境調整、栄養、介護医療院を視野に入れたニーズに合った入所施設の選択、身体障害者手帳の申請など、円滑な社会復帰を応援し、退院後の居宅介護支援、訪問看護、訪問診療など、看取りを含めた在宅医療の充実も目指しています。
(2024年4月1日 院長 海法恒男)
TOPへ戻る