従来、当院の役割として、急性期病院と在宅との間をとりもつ医療、すなわち急性期治療が終わっても更に入院を要する方や、在宅での医療が困難になった方などへの治療など、慢性期の方々への医療の提供を行ってきました。また、医師会員をかかりつけ医とする在宅患者さんが急に入院を要する場合の施設(オープンベッド)としても利用され、病院常勤医とかかりつけ医が協力しながら診療にあたる事も行われてきました。
一方で秋田県は高齢化率、人口減少率とも全国平均の20年先をいっており、求められる医療も変化し、その対応が必要とされています。県によるこれからの地域医療構想では、県内は当院が立地する「由利本荘・にかほ」を含めて8つの二次医療圏に分けられ、それぞれで急性期から在宅に至る、地域完結の切れ目のない医療が求められております。従って、その慢性期を担う当院の役割としては、医療のみならず、在宅復帰や施設入所に向け、機能回復を目指すリハビリを充実させ、提供していくことが重要な責務となってきました。このため、リハビリ専門医とスタッフを増員し、現在、リハビリ療法士は総勢20人に届く陣容となりました。それにより、休日訓練、ベッドサイド訓練、嚥下リハビリなどの拡充を図っております。また、社会福祉士を増員し、定期的なリハビリカンファランスとは別に、対象者全員において、ケア・マネージャー、社会福祉士、患者さんやご家族を加えた担当者会議を行い、在宅につながる環境調整、栄養、ニーズに合った入所施設の選択、身体障害者手帳の申請など、円滑な社会復帰を心掛けています。また、病院を中心とする居宅介護や訪問看護を充実させ、患者さんを支え続けるネットワークの構築を目指しております。
2017年オーダリングシステムから電子カルテへ移行し、CTを16列・MRIを1.5テスラの最新機器へ更新しました。
今後とも地域のお役に立てるよう全職員で努めてまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。
(2019年4月 院長 海法恒男)